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軽自動車について考える

地方暮らしには欠かせない軽自動車。今や自動車売り上げの40%程度を占めるほどに成長。
テレビや新車のレビュー記事ではあまりふれられることがないテーマについて考えます。

自動車選びに「安全」という視点をプラスしてみる

維持費の安さが圧倒的

車を所有していれば必ず支払う税金が「自動車税」。軽自動車は「軽自動車税」を支払います。実は、この軽自動車税2015年3月31以前までは7,200円でしたが2015年4月1日以降は10,800円に増税されています。普通車(総排気量1.0~1.5リットル)が30,500円なので依然として年間で19,700円の差があります。
その他にも重量税など車検ごとに支払う税金でアドバンテージがあります。
Web上でも「軽自動車 VS 普通車」のような維持費を比較した記載はありますが、そこでよく語られるのが以下のような項目です。

  • ガソリン代(小型車やハイブリッド車が増加)
  • メンテナンス費(オイル、タイヤ交換費用など)
  • 車両価格

昨今は燃費基準の更なる厳格化により軽自動車と普通車で以前ほどコストの差は大きくなくなっています。
“安全性” と “コスト” を天秤にかけた場合、どちらを優先するべきか悩ましい問題です。

ガソリン代

現在は普通車(コンパクトカー)と軽自動車で殆ど燃費は変わりません。従来であれば普通車の排気量(エンジンの大きさ)が大きく燃費は軽自動車が有利であったことと思います。しかし、現在はダウンサイジング化やハイブリッド化が主流となり普通車の燃費が向上したこと、軽自動車のメインが「ハイト系」と呼ばれる背の高いモデルが人気となり車重が増加していることなどが両者の燃費差を縮める要因として挙げられます。

メンテナンス費

前項でふれた普通車のダウンサイジング化やハイブリッド化により排気量が小さくなる傾向にあります。このため定期交換が必要なエンジンオイルの使用量が減りコスト差が縮まっています。
消耗品ですが、タイヤを例にすると普通に使う分には溝がすり減って交換するより先に紫外線によるひび割れ等の経年劣化で交換するタイミングが先になります。交換サイクルが一緒であればタイヤ大きさ(インチ数、タイヤの幅など)による購入コストの違いのみとなります。
背の高い車ほど片べりといってタイヤ側面の溝だけが異常に摩耗する現象になりやすいため、状況によってはハイト系の軽自動車のほうがより費用がかかる可能性もあります。また軽自動車のカスタムグレードなどは見栄えやコーナリング性能を重視しインチアップをしています。その結果、タイヤ自体のコストも上がってしましいます。

車両価格

ひと昔前は、「軽自動車=お金がない人が買う」車というイメージだったように思います。
メーカー側もいかに安く作るかに重点を置き「見た目は質素、坂道を登るパワーがない」などコスト低減の代償として基本性能を犠牲にした車が多数ありました。
その後、自動車業界で本格的にグローバル化が進み普通車はより大きく値段も高くなっていきました。結果として軽自動車の維持費の安さがいっそう際立ったのです。(日本人の所得が増えないことも一因ですね。このあたりは株式投資の記事で詳しくふれることにします)
そして軽自動車の販売価格にも2極化が起こります。従来の「低コスト特価型(アルト、ミラなど)」に加え普通車からダウンサイジングする層を取り込むべく「高級軽自動車(N-BOXカスタム、コペンなど)」が次々と開発されました。
低コスト特価型の車を購入する層は、主にメインの普通車を持ったうえで近距離移動用のセカンドカーとして使用されているケースが多いようです。つまり、そこまで質感や性能は求めなかったのです。
ところが、維持費の低減を目的としたダウンサイジングで軽自動車へ乗り換える層は普通車並みの品質を求めます。多少購入価格が高くとも維持費で元が取れるという考えとなるため、それまで100万円前後が主流だったなか、200万円を超える車種が多数登場しました。
加えて人気の車種やグレードともなると、購入後数年間はリセール(売却時)の条件も良くニーズの高さが伺えます。

それでもデメリットは確実に存在する

・物理の法則では重さの軽いほうが圧倒的不利
・乗員スペースが狭いため受傷するリスクが高い

私は理系科目がニガテです。でも800㎏と1,600㎏の自動車が衝突した場合、800㎏の車が受ける衝撃が約2倍になるという程度のことは何となく理解できます。

軽自動車に対する安全性に対し消費者が抱える不安をメーカー側も当然感じており、最新モデルのCMでは安全性をアピールする内容がよく見られます。
しかし、一般的な衝突試験では「同じ重さの車同士を衝突」させたり「決まった角度から衝突」させているという事実を一体どれだけの消費者が理解しているでしょうか。何となく「★がたくさん付いてるから最新モデルは安全そう」といった雰囲気で安心してしまうこともあるのではないでしょうか。
また、軽自動車はその規格ゆえボディサイズを拡大することができません。結果としてクラッシャブルゾーンを多く取れないだけでなく、ユーザーが望む広さを追求したことにより乗員スペースを極限まで広げたため事故に巻き込まれた場合の安全が犠牲になりやすい状況をうんでいるのです。

私も子どもができるまで、車選びにおける条件として「安全性」のプライオリティは高くありませんでした。というか考えていませんでした。
ここで伝えたいのは、軽自動車は安全性が低いからダメ」ということではなくデメリットを理解したうえで適切に使うということです。

今からできる安全対策

例えば以下のようなことに注意するだけでもケガのリスクは下げられます。

  • 軽自動車での遠乗りは避ける
  • 後席のスライド機構がある車は前席寄りにセットする
  • 車間距離をとって運転する
  • チャイルドシートやシートベルトは必ず装着する

軽自動車での遠乗りは避ける

弊ブログの訪問者さんには地方在住のかたも多くいらっしゃると思います。
1人1台が当たり前の地方であれば1台くらいは普通車があるというご家庭も多いのではないでしょうか。そんなお家ではぜひ「遠乗りは普通車で」を実践してみてください。遠くに限らず、片側2車線の幹線道路を走る場合など速度域の高いルートを走行する際もぜひ試してみてください。

後席のスライド機構がある車は前席寄りにセットする

スライドドア装着の軽自動車には標準になりつつある装備として、後席スライド/リクライニング機能があります。軽自動車を選ぶ理由として乗用車を凌ぐ広い室内空間に魅力を感じているという方も多くいらっしゃることでしょう。しかし、後方(トランク側)へ目いっぱいスライドさせるのは駐停車中に限定することをおすすめします。後席に人が乗車した状態で追突された場合、トランク部分には殆どスペースがなく大きなけがをするリスクが非常に大きいためです。少しでも乗員の安全を考えるのであれば足を伸ばせる快適さよりも安全性を優先したいものです。特に乳幼児を乗せる場合は足元空間が狭いことはさして問題になりませんので今すぐにでも試してみてください。

車間距離をとって運転する

先ほどの逆で正面衝突を想定した場合のポイントです。
クラッシャブルゾーンが取りにくい弊害は前席にもあります。エンジンが収まるスペースを極限まで狭くしているため、前方衝突の際に大きなダメージを受ける可能性があります。
車間距離をとることで前を走行する車が急ブレーキをかけても追突のリスクは軽減できます。

チャイルドシートやシートベルトは必ず装着する

軽自動車に限ったはなしではありませんが、園の送迎や休日のドライブなどでチャイルドシートに座らず車内を縦横無尽に駆け回る幼児の姿をよく見かけます。同じように、大人でもわざわざ「シートベルトキャンセラー」という道具を使ってまでシートベルトを未装着で運転するツワモノも…。

暑い夏や雨の日など子どもを毎回チャイルドシートへのせてベルトを締める行為は正直面倒です。しかし、万が一のことが起きた時のダメージは計り知れません。子どもを失うリスクを負ってまで「面倒くさい」を優先させる理由はないですよね。ましてや、公道を走る自動車のなかで最軽量の部類に属する軽自動車はただでさえ事故で乗員がダメージを負うリスクが高い部類の存在です。
少しでもリスクを下げられることはすべきであると思います。

まとめ

地方生活者にとって運転は日常です。起きるかどうかもわからない事故のリスクを想定し座席の位置を調整したり泣き叫ぶ子どもをなだめてチャイルドシートにのせること面倒に思うのは理解できます。
しかも地方であれば車を複数台所有するとなると維持費もばかにならないため軽自動車の所有は家計を助ける意味でも堅実な選択ともいえます。
しかし、一方で普通車と比較すれば安全性に劣る可能性が高いことも忘れてはいけません。日常的に車を使用するひとりとして、少しでもリスクを下げる対策を大切にしたいと思います。

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嶺渡 岳(みねと がく)

3つの企業で購買職を経験。乾電池から石炭まであらゆる「買う」知識を習得。年間数十億の取引きで得たスキルを日常のお買い物へ活用する “おつかいの達人”。プライベートではUターン転職を果たすも年収200万減に。「貯蓄 ➡ 投資」を実践し年間100万円超えの配当収入を得る。50歳までにFI(経済的自立)を目指す。2児の父だがイクメンではない。

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