ファーストリテイリング内部のバイヤーさんは安堵しているかも?
記事の内容から推察すると、同社の取引先はこれまで自前で原材料の調達を実施していたということでしょう。それ自体はごく自然なことですが、ファーストリテイリングほどの調達先ともなると常に大量かつ安定的な供給が求められます。繊維業の調達先はベトナムやバングラディッシュなどの新興国がメインであると推測されるため、日本のようなしっかりとしたサプライチェーンやBCPの構築などは望めず、繊維を製造する前の段階でも原材料調達などで様々なトラブルが発生していたのかもしれません。

同社の調達に関わるバイヤーさんの立場からすると一般的な取引の枠組みでは相手先の原料仕入れまで口出しすることはかなり困難だったはず。そのような状況のなかで、今回のように企業としてより上流から調達プロセスを管理する方針を公式に発表することで、パートナー企業と一歩踏み込んだ取り組みが可能となり実務を担うバイヤーさんがより深く自社の意向を反映した調達戦略を策定できるはずです。
みねとの海外調達経験からニュースを読む
以前の職場では東南アジアに複数のグループ会社(工場)がありそれらの集中購買化に携わった事があります。
日本と同じものを作っているにも関わらず、入手できる原料の種類や取引先が全く違うため現地の商習慣から学ぶ必要がありました。また、価格や安定供給に関する考え方もきちんと明文化しておかなければあっさりと事前の打合せ内容を覆されることも。

そんな経験を振り返ると、今回のファーストリテイリングの記事は企業として「ここまで管理しますよ!」とメッセージを発することで自社の管理基準を取引先と共有し、それまでは相手先の内部で意思決定されていた領域(仕入計画や品質基準、コストなど)まで踏み込んで参画が可能になりバイヤー目線でも後々のトラブルを回避できることに繋がるものと推測します。
選択と集中によりコスト上昇も抑制か

記事中には ”少数精鋭の生産パートナーに取引を集約” ともあります。自社基準で調達活動を管理する場合、当然その内容についていけない(ついていかない場合もある)取引も現れます。管理基準が厳しく社内や既存の仕入先では対応ができない場合やコストに直結する部分までファーストリテイリングが介入してくるのを嫌がるケースもあるのではないでしょうか。
今回の発表はそういった選択と集中を進めたうえで今後の需要増に耐え得る取引先との協力関係が構築できたと判断したとも捉えられます。
ふつうに考えれば従来相手先に任せていた領域まで自社で管理するとなるとコストがかかるわけですが、そこは選択と集中を進めた結果、競争力のある企業と将来の更なるボリューム増を見据えより戦略的な関係が築けたということなのかもししれません。
おわりに
今回はファーストリテイリングの調達に関する記事を考察してみました。調達に関する記事は少ないですが、今後もバイヤー職に関連するニュースを拾っていきますので、調達職・営業職に携わる皆様のご参考となれば幸いです。
では、また。
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