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4人家族が2LDKマンションから戸建てに住もうと思い立ったはなし⑶ ~中古物件編~

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気になる中古物件はある。問題は強気に設定されたお値段だ。

実は半年くらい前からチェックしている物件がいくつかあり、そのなかで気になっているのが築10年ちょっとのとある物件。
ポータルサイトに掲載された時点でのお値段はなかなか強気。
(周辺地域の新築建売住宅よりも高額な設定)

売り主さん目線で考えれば、地場メーカーの施工とはいえ注文住宅で土地も建売物件の2倍はある。
それにカーポートや植栽、サンルームに大きめの物置など「いったいいくらお金をかけたんだろう?」と思うくらい設備も充実。
これぐらいの値段でも売れるだろうという気持ちはわからなくもない。
しかし、いくら土地が2倍であろうがそもそも土地値が安いため正直これなら「新築買うわ・・・」という感想を持つのが私も含めた一般的な意見なのではと思ったり。

でも築10年ちょっとで家を手放すにはそれなりの理由がある訳で、いきなり安売りはできないよなーと妙に納得。
ただ地価の上昇が見込めない地方で暮らすわたしはこの値段ではとても手が出せないと判断し暫く様子をみることに。

内見はしない。だって迷惑だから。

賃貸物件であれば多少条件が合わなくともまず現認。
その場に行くことで見えてくるものもたくさんあります。
でも、今回のケースでは自分が想定する価格からほど遠く売り主さんも居住中ということでただの迷惑になりかねないと思い内見などはしていません。
買うかどうかもわからない人に家の中をジロジロ見られるのは気分のいい事じゃないのかなと。


実際のとこと、ポータルサイトへの掲載直後に内見 ➡ 指値 と進めても金額の乖離が大きければよほど売り急ぐ理由がない限り決裂して終わりでしょう。
わたしはこの価格で手を出す人はまずいないし周辺にこの中古物件よりも安価な新築戸建が数十件と建設されているため値下げを待つのが妥当と判断ししばし静観することに。

それから数か月|突然の500万円ダウン?!

なかなか賃貸の戸建ても出ないな~とか思いつつ、久しぶりに中古物件の様子を確認するとあの気になっていた物件が500万円も値下げをしている!
でも相変わらず内見の申し込みはしていません。
理由は前回と同じで、値下げ後も周辺の新築建売戸建より高い価格設定となっているためです。
正直、今の価格水準であれば建売にくらべ広い敷地やキレイに整備されたお庭を心底気に入って購入を決断する人が現れる可能性もゼロではないと思います。
でも私はまだ動きません。
世間は都心部を除き住宅不況の真っただ中。
着工件数は下落の一途をたどり建売住宅は売れ残りが目立ちます。
また、資材価格高騰による住宅価格や金利の上昇、インフレの影響など都心と比べ収入の低い地方は想像以上に厳しい状況です。
そのような環境で「割高」な物件に手を出す人が現れる確率は極めて低い!と予想した訳です。

築10年の中古住宅を購入する場合|必要なメンテナンス費用とは?

・外壁の再塗装(窯業系サイディング)
・太陽光発電システムの部品交換(パワーコンディショナー“通称パワコン”)
・数年後に屋根材の修繕
・コンロや水回りなどの交換

まだまだ築浅ともいえる築10年の家。
それでもざっと200~300万円くらいは必要になりそう。
まず、購入後すぐにでもやりたいのが外壁塗装です。
一般的な窯業系サイディングのため水の侵入を防ぐために再塗装とコーキングは必須になります。
これだけで150万円前後(足場+塗装費)の費用がかかります。
その他の項目も10年サイクルで修繕が必要となるため購入後のメンテナンス費用は事前に予算へ組み込んでおく必要があります。

太陽光発電システムについても、「電気代が安く済みそう」などメリットばかりが思い浮かびますが実際はパワコンなど一定期間で交換が必要となる部品もあるため要注意。
「太陽光パネルが付いててラッキー」と浮かれるのではなくしっかり維持コストを考慮しておくことが大切です。

中古物件の適正な値段って?|高くても売れるときは売れる!

ここでわたしの本業でもある調達・購買の経験とリンクするポイントがあったのでメモ。

あなたがいくら適正な値段を出しても、購買力のある第三者が出現すればそれは意味のない数字となってしまう

これが現実です。
いくら路線価や住宅の築年数に応じた評価額を計算しようが、今の値段で購入する第三者が現れた時点でそれらの数字は無意味なものになります。
もしどうしてもその家が欲しければむしろ思い切って買ってしまう方が後悔は少ないのかもしれません。
特に中古住宅のようにオンリーワン(状態や立地という意味で)の商品はそれを逃すと次はありません。

一方で、わたしのように強いこだわりがない場合は条件の近い物件を集めより買い得感のあるものを選ぶというのもひとつの方法です。
将来的に不動産の売却を想定するならば後者のほうが手残りは多くなるとも言えそうです。
(あなた自身ではなくても、相続した誰かがいつかは必ず売却するときが来るのですから)

おわりに|知れば知るほど奥が深い不動産取引き

わたしは不動産投資(築古戸建)に手を出そうとした時期がありました。
まずは基礎知識からということで何冊か本を読み進めた結果、サラリーマンとの両立は厳しいと判断し今はJ-REITで不動産投資に関わっている程度です。
しかし、その時の知識が現在の家探しに少なからず役立っています。

不動産投資は情報の非対称性が顕著と聞きますが、不利な条件で契約をしたいためには買い手側もある程度努力が必要なのかもしれません。
そして中古戸建は中古車を買うのとよく似ているように思います。
購入時の査定も大切ですが、それと同じくらい購入後の維持や予算の計画も大切になります。
しかし、日本の場合は新築信仰が根強くリフォームや中古物件に関する情報がまだまだ少ないのも事実。
コスパ良く中古物件を探したい方は自ら率先して情報を取りに行く必要があります。

ということで引き続き快適な住環境を求めて中古物件・戸建賃貸のリサーチを継続したいと思います。

では、また。

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嶺渡 岳(みねと がく)

3つの企業で購買職を経験。乾電池から石炭まであらゆる「買う」知識を習得。年間数十億の取引きで得たスキルを日常のお買い物へ活用する “おつかいの達人”。プライベートではUターン転職を果たすも年収200万減に。「貯蓄 ➡ 投資」を実践し年間100万円超えの配当収入を得る。50歳までにFI(経済的自立)を目指す。2児の父だがイクメンではない。

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